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『日本橋』
青空文庫
お聞き、前刻、国手が来なさりがけに、露地口を入ろうとして、ふっと、そら、そこの松家さんの羽目板を見なさるとね、この紙が、ちょうど、入口の取着きの処に貼りつけて有ったとさ。
巻煙草を買うのだっけ、とその拍子に気が付いて、表の小
母
さんの許へ行ったんだそうだけれど、もう寝ていたんだって。
今夜は、来ようが遅かったわねえ。」
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