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『活人形』
鏡花とアンティークと古書の小径
病人は苦痛を忍びて語り出だしぬ。
我は小田原の生れにて本間次三郎といふ者。幼少の折父母を失ひければ、鎌倉なる
赤
城家に嫁ぎたる叔母の許にて養はれぬ。仮の叔父なる
赤
城の主人は大酒のために身を損ひて、其後病死したりしかば、一族同姓の得三といへるが、家事万端の後見せり。
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