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 『龍潭譚』 青空文庫

 姉上は袖もてわれを庇ひながら顔を赤うして遁げ入りたまひつ。人目なき処にわれを引据ゑつと見るまに取つて伏せて、打ちたまひぬ。
 悲しくなりて泣出せしに、あわただしく背《せな》をばさすりて、
 「堪忍《かんにん》しておくれよ、よ、こんなかはいさうなものを。」

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