検索結果詳細
『木の子説法』
青空文庫
天地震動、瓦《かわら》落ち、石崩れ、壁落つる、血煙の裡《うち》に、一樹が我に返った時は、もう屋根の中へ屋根がめり込んだ、目の下に、その物干が挫《ひしゃ》げた三徳のごとくになって――あの辺も火は疾《はや》かった――燃え上っていたそうである。
これ――十二年九月一日の大地震であった。
169/231
170/231
171/231
[Index]