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『薬草取』
青空文庫
高坂は思わず足踏《あしぶみ》をした、草の茂《しげり》がむらむらと揺《ゆら》いで、花片《はなびら》がまたもや散り来る――二片三片《ふたひらみひら》、虚空《おおぞら》から。――
「左右へ傾く舷《ふなばた》へ、流《ながれ》が蒼く搦《から》み着いて、真
白
に颯《さっ》と翻《ひるがえ》ると、乗った親仁も馴れたもので、小児《こども》を担《かつ》いだまま仁王立《におうだち》。
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