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 『古狢』 青空文庫

「いや、どうもその時の容子《ようす》といったら。」――
 名古屋の客は、あとで、廓の明保野で――落雁で馴染の芸妓を二三人一座に――そう云って、燥《はしゃ》ぎもしたのだそうで。
 落雁を寄進の芸妓連が、……女中頭ではあるし、披露《ひろ》めのためなんだから、美しく婀娜《あだ》なお藻代の名だけは、なか間の先頭にかき込んでおくのであった。

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