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 『義血侠血』 青空文庫

 あわただしく木戸口に走り出で、項《うなじ》を延べて目送せり。その視線中に御者体の壮佼《わかもの》あり。
 何事や起こりたると、見物は糸の踵《あと》より、どろどろと乱れ出ずる喧擾《ひしめき》に、くだんの男は振り返りぬ。糸ははじめてその面を見るを得たり。渠は色く瀟洒《いなせ》なりき。

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