検索結果詳細


 『日本橋』 青空文庫

 と云う、南無阿弥陀仏の両傍に、あいあい傘の楽書のように、(となえろとなえろとなえろとなえろ、)と蛞蝓のごとくのたくり廻る。
「国手がね、(何だ、浄土か真宗にも、救世軍が出来たんじゃないか、)って笑ったけれどね、……私はドキリとしたんだよ。仮名の形を一目見ると分った。お念仏を(唱えろ唱えろ。)――覚悟をしろ――ッて謎じゃないか。こりゃ、お前、熊の為業だあね、あの、鰊野郎の。」

 1710/2195 1711/2195 1712/2195


  [Index]