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『国貞えがく』
青空文庫
祖母《としより》は、顔を見て、しばらく黙って、
「おお、どうにかして進ぜよう。」
と洗いさした茶碗をそのまま、前垂で手を拭き拭き、氷のような板の間を、店の畳へ引返して、火鉢の前へ、力なげに膝をついて、背後《うしろ》向きに、まだ俯向いたなりの親父を見向いて、
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