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『春昼後刻』
泉鏡花を読む
「恋しい懐しい方があつて、そしてどうしても逢へないで、夜も寐られないほどに思ひ詰めて、心も乱れれば気も狂ひさうになつて居りますものが、せめて肖たお方でもと思ふのに、此頃は恁うやつて此処等には
東京
からおいでなすつたらしいのも見えません処へ、何年ぶりか、幾月越か、フト然うらしい、肖た姿をお見受け申したとしましたら、貴下、」
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