検索結果詳細
『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
かかり合は免れぬ、と小力のある男が、力を貸して、船頭まじりに、この徒《てあい》とて確ではござりませなんだ。ひょろひょろしながら、あとの先ず二樽は、荷《にな》って小売店へ届けました。
嘉吉の始末でござります。それなり船の荷物にして、積んで帰れば片附きますが、死骸ではない、酔ったもの、醒めた時の挨拶が厄介じゃ、とお船頭は遁《にげ》を打って、帆を掛けて、海の靄へと隠れました。
174/1510
175/1510
176/1510
[Index]