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 『日本橋』 青空文庫

「まあ、お千世さん。お前さん、大な態度をして飴なのかね。私は蜜豆屋かと思ったよ。」
 と細りした頬に靨を見せる、笑のそれさえ、おっとりして品が可い。この姉さんは、渾名を令夫人と云う……十六七、二十の頃までは、同じ心で、令嬢と云った。あえて極った旦那が一|人、おとっさんが附いている、その意味を諷するのではない。その間のしょうそくは別として、しかき風采を称えたのである。

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