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 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫

「……諏訪《すわ》――の海――水底《みなそこ》、照らす、小玉石――手には取れども袖は濡《ぬら》さじ……おーもーしーろーお神楽《かぐら》らしいんでございますの。お、も、しーろし、かしらも、白し、富士の山、麓《ふもと》の霞――峰の白雪。」
「それでは、お富士様、お諏訪様がた、お目かけられものかも知れない――お待ち……あれ、気の疾《はや》い。」
 紫の袖が解けると、扇子《おうぎ》が、柳の膝に、丁《ちょう》と当った。

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