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 『春昼後刻』 泉鏡花を読む

 と手許に丈のびた影のある、土筆の根を摘み試み、
「爾時は……、而して何んですか、切なくつて、あとで臥つたと申しますのに、爾時は、どんな心持でと言つて可いのでございませうね。
 矢張、あの、厭な心持になつて、と云ふほかはないではありませんか。それを申したんでございますよ。」

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