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『婦系図』
青空文庫
ト押重《おっかさな》って、木《こ》の実の生《な》った状《さま》に顔を並べて、斉《ひと》しくお妙を見送った、四ツの髯の粘り加減は、蛞蝓《なめくじ》の這うにこそ。
真砂町の家へ帰ると、玄関には書生が居て、送迎いの手数を掛けるから、いつも素通りにして、横の木戸をトンと押して、
水
口から庭へ廻って、縁側へ飛上るのが例で。
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