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 『婦系図』 青空文庫

 真砂町の家へ帰ると、玄関には書生が居て、送迎いの手数を掛けるから、いつも素通りにして、横の木戸をトンと押して、水口から庭へ廻って、縁側へ飛上るのが例で。
 さしむき今日あたりは、飛石を踏んだまま、様《かあさん》御飯、と遣って、何ですね、唯今も言わないで、と躾《たしな》められそうな処。
 そうではなかった。

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