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 『婦系図』 青空文庫

 寝床の上に端然《きちん》と坐って、膝へ掻巻の襟をかけて、その日の新聞を読む――半面が柔かに蒲団《ふとん》に敷いている。
 これを見ると、どうしたか、お妙は飛石に突据えられたようになって、立留まった。
 美しい袂の影が、座敷へ通って、母様は心着いて、

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