検索結果詳細


 『縁結び』 青空文庫

     六

「その時は、艶々《つやつや》した丸髷《まげ》に、浅葱絞《あさぎしぼ》りの手柄《てがら》をかけていなすった。ト私が覗《のぞ》いた時、くるりと向うむきになって、格子戸へ顔をつけて、両袖でその白い顔を包んで、消えそうな後姿で、ふるえながら泣《な》きなすったっけ。

 178/405 179/405 180/405


  [Index]