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『夜叉ヶ池』
青空文庫
晃 この土地、この里――この琴弾谷が、一個《ひとつ》の魔法つかいだと云うんだよ。――
山沢、君は、この山奥の、夜叉ヶ池というのを聞いたか。
学円 聞いた。しかもその池を見ようと思って、今庄《いまじょう》駅から五里ばかり、わざわざここまで入込《いりこ》んだのじゃ。
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