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 『湯島の境内』 青空文庫

早瀬 お蔦、お前は、それだから案じられる。忘れても一人でなんぞ、江戸の土を離れるな。静岡は箱根より遠いかは心細い。……ああ、親はなし、兄弟はなし、伯父叔というものもなし、俺ばっかりをたよりにしたのに、せめて、従兄妹《いとこ》が一人ありゃ、俺は、こんな思いはしやしない!……よう、お蔦、そしてお前は当分どうするつもりだ。

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