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『木の子説法』 青空文庫
「さあ。」
一言いったきり、一樹が熟《じっ》と凝視《みつ》めて、見る見る顔の色がかわるとともに、二度ばかり続け様に、胸を撫《な》でて目をおさえた。
先を急ぐ。……狂言はただあら筋を言おう。舞台には茸の数が十三出る。が、実はこの怪異を祈伏《いのりふ》せようと、三山の法力を用い、秘密の印《いん》を結んで、いら高の数珠を揉《も》めば揉むほど、夥多《おびただ》しく一面に生えて、次第に数を増すのである。
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