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 『婦系図』 青空文庫

「だって、主税さん、先年《いつか》私の誕生日に、お酒に酔って唄ったじゃありませんか。貴下《あなた》は、浅くとも清き流れの方よ。ほんとの歌は柄に無いの。」
 とつけつけ云う。
「いや、恐入りましたよ。(トちょっと額に手を当てて、)先生は?」と更《あらた》めて聞くと、心ありげに頷いて、

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