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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 「否《いえ》、もう気ままものの碌でなしでござりますが、お庇さまで、至って元気がようござりますので、御懇意な近所へは、進退《かけひき》が厭じゃ、とのう、葉山を越して、日影から、田越逗子の方へ、遠くまで、てんぼうの肩に背負籠《しょいかご》して、栄螺《さざえ》や、とこぶし、もろ鰺《あじ》の開き、うるめ鰯の目刺など持ちましては、飲代にいたしますが、その時はお前様、村のもとの庄屋様、代々長者の鶴谷喜十郎様、」

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