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『高野聖』
泉鏡花を読む
背戸と思ふあたりで再び馬の嘶く声。
(何方、)と納戸の方でいつたのは女ぢやから、南無三宝、此の
白
い首には鱗が生えて、体は床を這つて尾をずる/\と引いて出ようと、又退つた。
(おゝ、御坊様。)と立顕れたのは小造の美しい、声も清しい、ものやさしい。
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