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 『湯島の境内』 青空文庫

お蔦 ええ、修業をして。……貴方よりさきへ死ぬまで、人さんの髪を結《ゆ》ましょう。私は尼になった気で、(風呂敷を髪に姉《あね》さんかぶりす)円髷《まるまげ》に結《い》って見せたかったけれど、いっそこの方が似合うでしょう。
早瀬 (そのかぶりものを、引手繰《ひったぐ》ってつつと立つ)さあ、一所に帰ろう。
お蔦 (外套を羽織らせながら)あの……今夜は内へ帰っても可《い》いの。

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