検索結果詳細


 『春昼後刻』 泉鏡花を読む

 私の形を見て、お心持が悪くなつたなんぞつて事は、些とも話しませんから、知らう道理はないのです。但礼をおつしやるかも知れんと云ふから、其奴は困つたと思ひましたけれども、此処を通らないぢや帰られませんもんですから。恁うと分つたら穴へでも入るんだつけ。お目にかゝるのぢやなかつたんです。しかし私が知らないで、二階から御覧なすつただけは、そりや仕方がない。」

 187/444 188/444 189/444


  [Index]