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『薬草取』
青空文庫
衣物《きもの》を脱がせた親仁《おやじ》はと、唯《ただ》悔《くや》しく、来た方を眺めると、脊《せ》が小さいから馬の腹を透《す》かして雨上りの松並木、青田《あおだ》の縁《へり》の用水に、白鷺《しらさぎ》の遠く飛ぶまで、畷《なわて》がずっと見渡されて、西日がほんのり
紅
《あか》いのに、急な大雨で往来《ゆきき》もばったり、その親仁らしい姿も見えぬ。
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