検索結果詳細
『歌行燈』
従吾所好
(ヤヤ、難有い、仏壇の中に美婦〈たぼ〉が見えるわ、簀の子の天井から落ち度い。)などと、膝栗毛の書抜きを遣らつしやるで魔が魅〈さ〉すのぢや。屋台は古いわ、造りも広大。」
と丸木の床柱を下から見上げた。
「千年の桑かの。川の底も料〈はか〉られぬ。燈も暗いわ、獺も出ようず。些と懲りさつしやるが可い。」
188/744
189/744
190/744
[Index]