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 『日本橋』 青空文庫

 と引入れられて、気を取られた調子が高く、
「清葉が、頬摺りしたり、額を吸ったり、……抱いて寝るそうだ。お前、女房は美しかったか、綺麗な児だって。ああ、幸福な児だ。可羨しいほど幸福だ。」
 摺って出るように水を覗く、と風が冷かに面を打つ。欄干に確と両手を掛けた、が、熟と黙って、やがて静に立直った時、酔覚の顔は蒼白い。

 1917/2195 1918/2195 1919/2195


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