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『婦系図』
青空文庫
「何か、私までも、それを承りまするに就いて、このな、胸が轟《とどろ》くでごわりまするが、」
と熟《じっ》と見据えると、酒井は半ば目を閉じながら、
「他ならぬ先生の御口添じゃあるし、伺った通りで、河野さんの方も申分も無い御家です。実際、願ってもない良縁で、もとよりかれこれ異存のある筈はありませんが、ただ不束《ふつつか》な娘ですから、」
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