検索結果詳細


 『義血侠血』 青空文庫

 囃子方に新という者あり。宵より出でていまだ小屋に還らざれば、それかと白糸は間近に寄りて、男の寝顔を〓《のぞ》きたり。
 新はいまだかくのごとくのんきならざるなり。彼ははたして新にはあらざりき。新の相貌はかくのごとく威儀あるものにあらざるなり。渠は千の新を合わせて、なおかつ勝ること千の新なるべき異常の面魂《つらだましい》なりき。

 193/706 194/706 195/706


  [Index]