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 『日本橋』 青空文庫

「唯今、乗した処へ。」
「ああ。」
 夜延仕でも、達者な車夫で、一もん字にその引返す時は、葛木は伏せた面を挙げて、肩を聳かすごとく痩せた腕を組みながら、切に飛ぶ星を仰いだ。が、夜露に、痛いほど濡れたかして、顔の色が真蒼であった。

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