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 『天守物語』 泉鏡花を読む

亀姫 それよりか、お姉様《あねえさま》、早く、あのお約束の手鞠を突いて遊びませうよ。
夫人 あゝ、遊びませう。――あちらへ。――城の主人の鷹狩が、雨風に追はれ/\て、もうやがて大手さきに帰る時分、あなたは沢山《たんと》お声がいゝから、この天守からしい声が響くと、また立騒いでお煩《うるさ》い。

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