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 『木の子説法』 青空文庫

 鼻筋鋭く、頬は澄《しろず》む、黒髪は兜巾《ときん》に乱れて、生競《はえきそ》った茸の、のほのほと並んだのに、打振《うちふる》うその数珠は、空に赤棟蛇《やまかがし》の飛ぶがごとく閃《ひらめ》いた。が、いきなり居すくまった茸の一つを、山伏は諸手《もろて》に掛けて、すとんと、笠を下に、逆《さかさ》に立てた。二つ、三つ、四つ。――

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