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『天守物語』
泉鏡花を読む
夫の盤 吉祥天女、御功徳《くどく》でござる。(肱を張つて叩頭す。)
亀姫 あゝ、姥、お前も大事ない、こゝに居てお相伴《しやうばん》をしや。――お姉様《あねえさま》に、私から我儘《わがまゝ》をしますから。
夫人 尤《もつとも》さ。
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