検索結果詳細


 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 「何か、夢でも見たろうかね。」
 「夢処《どころ》でござりますか、お前様、直ぐに縊殺《しめころ》されそうな声を出して、苦しい、苦しい、鼻血が出るわ、目がまうわ、天窓《あたま》を上へ上げてくれ。やい、どうするだ、さあ、殺さば殺せ、漕がば漕げ、とまだ夢中で、嘉吉めは船にいる気でおります、よの。

 203/1510 204/1510 205/1510


  [Index]