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『婦系図』
青空文庫
言《ことば》が途絶えると、音がした、釣瓶《つるべ》の雫が落ちたのである。
差俯向《さしうつむ》くと、仄かにお妙の足が
白
い。
「静岡へ参って落着いて、都合が出来ますと、どんな茅屋《あばらや》の軒へでも、それこそ花だけは綺麗に飾って、歓迎《ウェルカム》をしますから、貴娘《あなた》、暑中休暇には、海水浴にいらしって下さい。
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