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『日本橋』
青空文庫
錦の帯は煙を払って、竜のごとく素直に立つ。母はその手に抱寄せられた。
「坊や。」
と清葉が手を伸した時、炎の流は格子戸の倒れた穴を、堰を切った堤のごとく、九ツの頭を立てて漲り流るる。
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