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 『活人形』 鏡花とアンティークと古書の小径

 得三後居《しりゐ》に〓《どう》と坐し、「やい、此態《ざま》は何うしたのだ。と口なる手拭退《の》けて遣れば、お録はごほんと咳き入りて、「はい、有難うございます。「えゝ何うしたのだ。「はい、はい。もしお聞きなされまし。あの時お藤様《さん》を人形の後へ隠して、其から貴下、階下《した》へ行《お》りてがらくた部屋の前を通ると、内でがさ/\いたしますから、鼠か知らん、と覗きますとね、何うでございませう。あの探偵泰助奴《たいすけめ》がむく/\と起き上る処でございました。「え!」

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