検索結果詳細
『国貞えがく』
青空文庫
その小児《こども》に振向けた、真白な気高い顔が、雪のように、颯と消える、とキリキリキリ――と台所を六角に井桁で仕切った、内井戸の轆轤が鳴った。が、すぐに、かたりと小皿が響いた。
流《ながし》の処に、浅葱の手絡が、時ならず、雲から射す、濃い月影のようにちらちらして、黒髪のおくれ毛がはらはらとかかる、鼻筋のすっと通った横
顔
が仄見えて、白い拭布《ふきん》がひらりと動いた。
206/317
207/317
208/317
[Index]