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『木の子説法』
青空文庫
真蒼《まっさお》になって、身体《からだ》のぶるぶると震う一樹の袖を取った、私の手を、その帷子《かたびら》が、落葉、いや、茸のような触感で衝《つ》いた。
あの世話方の
顔
と重《かさな》って、五六人、揚幕から。切戸口にも、楽屋の頭《かしら》が覗《のぞ》いたが、ただ目鼻のある茸になって、いかんともなし得ない。その二三秒時よ。稲妻の瞬く間よ。
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