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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

学円 いや、恥ずるには及ばん。が、どうじゃ、細君を連れて東京に帰るわけには行《ゆ》かんのかい。
晃 何も三ヶ国と言わん。越前一ヶ国とも言わん。われわれ二人が見棄てて去って、この村と、里と、麓《ふもと》に棲《す》むものの生命をどうする。
学円 萩原、(と呼びつつ、寄り)で、君はそれを信ずるかい。

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