検索結果詳細


 『縁結び』 青空文庫

「松葉越《まつばごし》に見えましょう。あの山は、それ茸狩《たけがり》だ、彼岸《ひがん》だ、二十六夜待《やまち》だ、月見だ、と云って土地の人が遊山《ゆさん》に行く。あなたも朝夕見ていましょう。あすこにね、私の親たちの墓があるんだが、その居《い》まわりの回向堂《えこうどう》に、あなたの阿母《おっか》さんの記念《かたみ》がある。」
「ええ。」
「確《たしか》にあります、一昨日《おととい》も私が行って見て来たんだ。そこへこれからお伴《とも》をしよう、連れて行って上げましょう、すぐに、」

 210/405 211/405 212/405


  [Index]