検索結果詳細
『日本橋』 青空文庫
お千世の祖父の甚平が台所口から草鞋穿の土足である。――これが玄関口から入ったら、あるいはこうはなかったろう。――爺さんは、当夜植木|店のお薬師様の縁日に出た序に、孫が好きだ、と草餅の風呂敷包を首に背負って、病中ながらかねて抱主のお孝が好いた、雛芥子の早咲、念入に土鉢ながら育てたのを丁寧に両手に抱いて、来て、途中頭の上の火事に慌てながら、驚破や見舞、と駆込んで、台所口へ廻ったのが、赤熊と一足違い。
2121/2195
2122/2195
2123/2195
[Index]