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 『婦系図』 青空文庫

 主税は窓から立直る時、向うの隅に、婀娜な櫛巻の後姿を見た。ドンと硝子戸《がらすど》をおろしたトタンに、斜めに振返ったのはお蔦である。
 はっと思うと、お蔦は知らぬをして、またくるりと背《うしろ》を向いた。
 汽車出でぬ。

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