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 『日本橋』 青空文庫

「ああ、お地蔵様。」
 夢かとばかり、旅僧の手から、坊やを抱取った清葉は、一度、継とともに立退いて出直したので、凜々しく腰帯で端折っていた。
 お孝は、離さじ、とただ黙って葛木に縋る。

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