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『日本橋』
青空文庫
お孝は、離さじ、とただ黙って葛木に縋る。
「や、ここにも一人。」
警官は驚いた。露地の出口の溝の中、さして深くもない中に、横倒れに陥って死んでいたのは茶缶婆で、胸に突疵がある。さては赤熊が片附けた。
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