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 『日本橋』 青空文庫

 警官は驚いた。露地の出口の溝の中、さして深くもない中に、横倒れに陥って死んでいたのは茶缶婆で、胸に突疵がある。さては赤熊が片附けた。
 これが為に、護送の警官の足が留って、お孝は旅僧と二人、可懐しそうに、葉が差覗く柳の下の我家に帰る。
 清葉の途中で立停ったのを見て、お孝が判然した声で云った。

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