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『歌行燈』
従吾所好
七
「其のな、焼蛤は、今も町はづれの葦簀張〈よしずばり〉なんぞでいたします。矢張り松毬で焼きませぬと美味うござりませんで、当家〈うち〉では蒸したのを差上げます、味淋入れて味美〈あぢよ〉う蒸します。」
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