検索結果詳細
『薬草取』
青空文庫
月は山の端《は》を放れて、半腹《はんぷく》は暗いが、真珠を頂いた峰は水が澄んだか明るいので、山は、と聞くと、医王山だと言いました。
途端にくゎいと狐が鳴いたから、娘は緊乎《しっか》と私を抱く。その胸に額《ひたい》を当てて、私は我知らず、わっと泣いた。
怖《こわ》くはないよ、否《いいえ》怖いのではないと言って、母親の病気の次第。
217/283
218/283
219/283
[Index]